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- 不動産取得税の軽減措置の内容がわかる!
- 不動産取得税の計算方法が理解できる!
- 不動産取得税の軽減手続きの流れがわかる!
不動産を購入した場合、さまざまな税金が課税されます。
その中でも不動産取得税は、税率が高く高額になりがちです。
そのため、不動産取得税の軽減措置を活用し節税をすることが大切です。
しかし、不動産取得税の減税については、不動産仲介会社や司法書士が代行してくれることが少ないため、自分で申請をするという認識を持っておきましょう。
不動産取得税の節税を忘れてしまうと非常にもったいないため、不動産取得税の軽減措置の手続きを忘れないようにしましょう。
不動産取得税とは
不動産取得税は住宅を新築・増改築したり、土地や家屋の売買や交換、贈与などをした場合に課税される税金です。
不動産を無償でもらった場合でも課税されます。
ただし、相続で所有権移転をした場合は、不動産取得税は課税されません。
なお、不動産取得税の税率は、固定資産税課税標準額の4%です。
不動産取得税の計算式は、以下のとおりです。
不動産取得税 = 固定資産税課税標準額 × 税率
例えば、固定資産税課税標準額2,000万円の店舗を購入した場合(軽減措置は考慮しない場合)
2,000万円 × 4% = 80万円(不動産取得税)となります。
なお、固定資産税課税標準額とは、固定資産税を課税する対象となる金額のことです。
固定資産税課税標準額は、市町村などに備え付けられている固定資産台帳に記載されている固定資産評価額を基に算出します。
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不動産取得税の軽減措置
2024年3月31日までの時限措置として、取得した土地や住宅に対する不動産取得税は、固定資産税課税標準額の4%から3%に引き下げられています。
住宅以外の家屋は3%の減税は利用できず、4%のままで変わりありません。
不動産取得税には、その他にも軽減措置がありますので、紹介していきます。
宅地の課税標準の特例
2024年3月31日までに、登記上は宅地になっている土地や、現況が宅地になっている土地を取得した場合は、固定資産税課税標準額を2分の1にできる特例があります。
そのため、登記簿上では田や畑となっていても、現況、建物が建築されていたり駐車場になっていたりする場合は、現況が宅地になっている土地に該当します。
宅地の課税標準の特例の計算式は、以下のとおりです。
不動産取得税 = 固定資産税課税標準額 × 1/2 × 税率
例えば、固定資産税課税標準額2,000万円の土地を購入した場合(軽減措置3%と宅地の1/2特例のみ考慮)
2,000万円 × 1/2 × 3% = 30万円(不動産取得税)となります。
新築住宅の軽減措置
2024年3月31日までに、新築住宅を住宅を取得した場合は、一定の要件を満たせば1,200万円が控除されます。
固定資産税課税標準額が1,200万円以下の場合には、控除額の方が大きいため不動産取得税は課税されません。
控除を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 課税床面積が50㎡(戸建て以外の賃貸住宅は40㎡)以上、240㎡以下であること
- 居住用住宅であること
新築住宅の軽減措置の計算式は、以下のとおりです。
不動産取得税 = (固定資産税課税標準額 - 1,200万円) × 税率
例えば、固定資産税課税標準額2,000万円の新築住宅を購入した場合(軽減措置3%と新築の特例のみ考慮)
(2,000万円 - 1,200万円) × 3% = 24万円(不動産取得税)となります。
住宅を新築するための敷地に対する軽減措置
2024年3月31日までに新築住宅用の土地を取得した場合も、軽減措置が適用されます。
この場合の軽減措置を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 新築住宅の軽減の要件を満たすこと
- (土地先行取得の場合)土地取得から3年以内に建物を新築すること
- (建物建築先行の場合)土地を借りて住宅を新築した人は、新築1年以内にその土地を取得すること
住宅を新築するための敷地に対する軽減措置の計算式は、以下のとおりです。
不動産取得税 = ( 固定資産税課税標準額 × 1/2 × 3% )- 控除額( 下記AかBの多い金額 )
A = 4万5,000円
B =( 土地1㎡当たりの固定資産税課税標準額 ×1/2 )×( 課税床面積㎡ × 2 )× 3%
ただし、課税床面積は200㎡でを上限として計算
例えば、固定資産税課税標準額2,000万円の200㎡の土地を購入し、100㎡の新築住宅を建築する場合(3%の軽減措置を考慮)
B = ( 2,000万円 ÷ 200㎡ × 1/2 ) × ( 100㎡ × 2 ) × 3% = 30万円
( 2,000万円 × 1/2 × 3% ) - 30万円 = 0円 (不動産取得税 ※この場合は非課税)
長期優良住宅の軽減措置
長期優良住宅と認められた場合は、1,300万円の控除を受けられます。
長期優良住宅の軽減措置の計算式は、以下のとおりです。
長期優良住宅の不動産取得税 =( 固定資産税課税標準額 – 1,300万円 )× 3%
なお、長期優良住宅とは、国が定めた長期優良住宅制度の認定基準にのっとり、長期間にわたって住み続けられると認定された良質な住宅のことです。
長期優良住宅の認定基準は、以下のとおりです。
- 長期に使用するための構造および設備を有していること
- 居住環境などへの配慮を行っていること
- 自然災害などへの配慮を行っていること
- 一定以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
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中古住宅およびその敷地の軽減措置
中古住宅とその敷地に対しても軽減措置があります。
中古住宅の軽減措置
2024年3月31日までに不動産を取得し、一定の要件を満たすことにより、固定資産税課税標準額から100万円〜1,200万円が控除されます。
築年数に対応する控除額は、次の図のとおりです。
建物が新築された日 | 控除額 |
平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
平成元年4月1日 ~ 平成9年3月31日 | 1,000万円 |
昭和60年7月1日 ~ 平成元年3月31日 | 450万円 |
昭和56年7月1日 ~ 昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和51年1月1日 ~ 昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和48年1月1日 ~ 昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和39年1月1日 ~ 昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和29年7月1日 ~ 昭和38年12月31日 | 100万円 |
なお、1981年12月31日以前の新築された住宅で、建築士などが行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることの証明がされたもの(ただし、当該証明に係る調査が取得日前2年以内に終了しているものに限ります。)
中古住宅の軽減措置を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 居住用としての取得
- 課税床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 1982年1月1日以降に建築された住宅であること
- 1981年12月31日以前に建築された住宅の場合は、新耐震基準を満たす住宅であること
中古住宅の軽減措置の計算式は、次のとおりです。
不動産取得税 =( 固定資産税課税標準額 − 控除額 )× 3%
中古住宅の敷地の軽減措置
中古住宅の敷地の軽減措置は、新築住宅の敷地の場合と税額計算が同じです。
中古住宅の敷地の軽減措置を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 敷地に建っている中古住宅が、軽減措置の条件を満たすこと
- (土地先行取得の場合)取得から1年以内にその土地上の建物を取得すること
- (建物建築先行の場合)土地を借り、その土地上の建物を取得した場合は、1年以内にその土地を取得すること
軽減措置を申告する流れと必要書類
不動産取得税の軽減措置を受けるためには、不動産を取得してから20日から60日以内に、管轄都道府県税事務所に必要書類を提出し申告します。
管轄の税務署によって申告期限が違う場合があるため、注意ください。
不動産取得税の軽減措置の申告に必要な書類は、以下の通りです。
- 不動産取得税申告書
- 不動産取得税課税基準の特例適用申告書
- 土地の不動産取得税減額適用申請書
- 建物の不動産取得税減税適用申請書
- 売買契約書(写し)
- 登記事項証明書
- 1981年以前築の中古住宅の場合、耐震基準を証明する書類
都道府県税事務所に提出する書類は、税事務所により違いがあることがあるため、不動産取得税の申告をする場合は、事前に税事務所にお問い合わせください。
まとめ
シミュレーションで計算したように、不動産取得税は軽減措置を利用していない場合、課税額が大きくなります。
そのため、不動産取得税の軽減措置はどのような場合に利用できるのか把握した上で、軽減措置の利用を申告する必要があります。
不動産を購入するときには担当の不動産仲介会社に、不動産取得税の軽減措置が受けられるのか確認しておきましょう。
なお、条件を満たす人には、不動産取得税の還付もあるため、還付のことも不動産仲介会社に確認しておいてください。
不動産取得税の還付については、下の記事で紹介しています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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